「UFOを見たことがある」と話す人は意外と多く存在します。
しかし、その一方で「たしかに変なものを見たけれど、本当にUFOだったのか確信が持てない」と感じている人も少なくありません。
また、不思議なのは、UFOの目撃談が多くあるにもかかわらず、それが日常的な話題として語られることがほとんどない点です。
なぜ、あれだけ報告があるのに、世間ではUFOに関する話題が敬遠されるのでしょうか？
実際、私の知人にもUFOを見た経験がある人がいますが、その体験を語るとき、どこか後ろめたさや照れが見え隠れします。
まるで“見た”と口にすること自体が恥ずかしいかのようです。
しかし、本当にそうでしょうか？
UFOや宇宙人の存在を信じている人は多いのに、「実際に見た」という人は一部に限られます。
むしろ、見たことがない人のほうが圧倒的多数派でしょう。
中には、UFOを一目見ようと毎晩空を見上げているのに、全く遭遇できないという人さえいます。
では、なぜUFOを見たという人がいる一方で、どれだけ意識して観察しても見られない人がいるのでしょうか？
そこには、単なる偶然以上の違いがあるように思えてなりません。
本記事では、「UFOが見える人」と「見えない人」にある違いについて、可能性や仮説を交えながら掘り下げてみたいと思います。
なぜUFOを目撃できる人と、まったく見られない人がいるのか？
あなたはUFOを見たことがありますか？
もし「見たことがある」と答える人がいたら、それだけで周囲から驚かれるかもしれません。
でも、それが本当にUFOだったのか、自信を持って断言できる人はどれほどいるでしょうか。
一方で、「いつかUFOをこの目で見たい！」と願って、晴れた夜には空を見上げてばかりいるのに、結局一度も遭遇できない……そんな人もたくさんいます。
ではいったい、UFOを見られる人と見られない人、その違いはどこにあるのでしょう？
その謎に迫るには、まず“見える”とはどういうことなのか、本当に自分がUFOを見分けられるのかどうか、という根本的な問いから考えてみる必要がありそうです。
「UFOの形」を知らないのに、どうやって見分けるのか？
ちょっと想像してみてください。
誰かがあなたに「UFOってどんな見た目だと思う？」と聞いてきたとします。
円盤型？ 三角形？ 球体？ あるいはただの光？
実際、UFOを「見た」とされる報告は千差万別で、一定のフォルムに決まっているわけではありません。
つまり、私たちは「UFOを探そう」と思って空を見上げていても、その正体不明の物体をどう見分けるべきか、その基準すら持っていないのです。
たとえば空に飛ぶ一機の旅客機、それがもし本当はUFOだったとして――その違いを見抜ける自信、あなたにはありますか？
UFOは「擬態」している可能性も？
ここで少し極端な仮定をしてみましょう。
もしもUFOが、旅客機の外見を真似て空を飛んでいたとしたら？
高度も、スピードも、光の出し方まで似せていたとしたら？
我々が「普通の飛行機だ」と見なしたまま、UFOを見逃している可能性だって否定できません。
もちろんこれはあくまで仮説に過ぎません。
UFOが本当に旅客機に擬態している、という証拠があるわけではありません。
ただ、そうした視点を持つことで、見落としていたものの存在に気づくかもしれない、という話です。
「知らないもの」は見えないし、見えていても気づかない
私たちは、普段の暮らしの中で「知っているものしか認識できない」という習性があります。
未知の存在は、視界に入っていても脳が処理できないため、見ていないことと同じになるのです。
だからこそ、「UFOを見たい」と思っているだけでは不十分です。
見たい対象の情報、形態、振る舞い、ありうる変則性などをある程度理解していなければ、いざ目の前に現れてもそれを“ただの光”や“普通の飛行機”としてスルーしてしまう可能性が高いのです。
モンロー研究所での不思議な体験
ここで、私自身が体験したある出来事をご紹介します。
2013年、アメリカのヴァージニア州にある「モンロー研究所」を訪れました。
この施設は、人間の意識や意図と音響の関係を研究する場所として知られており、特に“ヘミシンク”と呼ばれる音響技術で有名です。
研究所は広大な自然に囲まれ、建物の外は見渡す限りの草原とゆるやかな山々。
星空が広がる夜には、人工衛星や航空機が絶え間なく夜空を移動していくのが観察できます。
そんなある晩、外で空を眺めていたときのこと。
遠くの空に、ひとつの光点がゆっくりと移動しているのが見えました。
ぱっと見たところ、どこにでもあるような普通の旅客機に見えます。
でも、なぜかその動きに違和感を覚えました。
「何だろう？」「なぜか違う」と直感で感じ、目を凝らして観察してみたのです。
すると、その飛行体には確かにライトが2つありました。
しかし普通の飛行機のように点滅はしていません。
点灯したまま、一定の明るさで光り続けているのです。
「飛行機って、ライトが点滅していたはずだよな？」
そう思って見ていると、次の瞬間、そのライトがまばゆいほどの光を放ち、ほんの数秒間、まるで空を切り裂くように強く輝きました。
そして再び静かに、そのまま空の彼方へと飛び去っていったのです。
いまだに、その飛行物体が一体何だったのか、私には断言できません。
あれが単なる飛行機だったのか、あるいは未知の何かだったのか――その答えは分からないままです。
「見えるかどうか」は意識の在り方次第？
この体験から私が学んだのは、「UFOを見ること」は単なる運や偶然ではない、ということです。
その存在に意識を向け、常識にとらわれない観察眼を持ち、見慣れたものに違和感を覚える感性を育てることで、初めて「UFOを見る」という現象に近づけるのかもしれません。
UFOを見たことがある人とない人、その差は「見る目があるかどうか」ではなく、「見ようとする意識の質」そのものにあるのではないでしょうか。
人の目は「現実」を見ていない？──認識のフィルターが映すもの
私たちは普段、目に入ったものをそのまま“見て”いると思い込んでいますが、実はそうではありません。
人間の脳は、視覚情報を受け取るとそれを「過去の記憶」や「既知の情報」と照合し、もっとも近いイメージに置き換えて理解しようとします。
たとえば、空中に赤くて丸い物体が浮かんでいたとしましょう。
それがどれほど奇妙で未知なものであっても、多くの人は「トマトみたいだ」「赤い風船かも？」「太陽かな」と、すでに見知っている何かに変換してしまうのです。
この現象は心理学や認知科学の分野で「知覚の構成主義」や「スキーマによる情報補完」と呼ばれるものに近く、日常生活では非常に役立つ機能です。
しかし、これがあるがゆえに、私たちは“未知のもの”を素直に認識することができなくなっているとも言えるのです。
私たちの脳は、見知らぬものに出会うと、それを「知っているもの」に無理やり当てはめて解釈する。
これが俗に言う「認知フィルター」と呼ばれるものです。
つまり、私たちは現実そのものを見ているのではなく、過去の経験によって歪められた“脳内の現実”を見ているに過ぎないのです。
「見たことがないものは、そもそも見えない」
ここで、ちょっと奇妙に思えるかもしれませんが、重要な問いを投げかけてみましょう。
仮に、あなたがこれまでの人生で一度も見たことのない、まったく異質な形状や動きをする物体を空に見つけたとします。
そのとき、あなたの脳はどう反応するでしょう？
多くの人が「なんだこれは？」と好奇心を抱くと思うかもしれませんが、実はそう単純な話ではありません。
認知心理学的には、人は「知っている形」や「既視感のある構造」を持たない対象に出会うと、情報として処理できず、視覚的にも“存在しないもの”として扱ってしまう傾向があるとされています。
これは、視界には映っているのに、脳が「それ」を情報として認識しない、つまり“見えない”という現象です。
たとえば、あなたの目の前に奇妙な飛行体が浮かんでいても、脳がそれを「理解可能な対象」として扱えなければ、それは無意識に排除され、存在しないものとして処理されてしまう可能性があるのです。
なぜUFOを見られないのか？──認識できる条件とは
では、UFOを「見たことがある」と語る人たちは、なぜそれをUFOだと判断できたのでしょうか？
この問いの答えは単純ではありませんが、興味深い傾向がひとつあります。
それは、「UFOを目撃した多くの人が、見ようとしていないときにそれを見てしまった」という点です。
つまり、構えて観察していたわけではなく、リラックスした状態、意識が分散していたとき、あるいは偶然空を見上げた瞬間などに、思いがけず何か“異質なもの”に遭遇したというケースが多いのです。
これは、脳が「いま、既知の範囲だけで物事を解釈しよう」としていない無防備な状態であるがゆえに、普段なら認知フィルターに遮断される“未知の情報”を、たまたまスルーせずに受け取ってしまった――という解釈もできます。
逆に言えば、「UFOを見たい！」と強く思って空を見上げているとき、あなたの脳は“見たい形のUFO”しか探していないため、それ以外の奇妙な現象はすべてスルーしてしまうのです。
見るためには「知らない」を受け入れる必要がある
ここで重要なのは、「見るためには知識が必要だ」という一般的な認識が、UFOのような“未確認の存在”においては通用しないという点です。
むしろ必要なのは、「知らないまま受け入れる力」かもしれません。
頭の中のフィルターを一時的にでも外し、「これは何なのか分からないけれど、確かにそこにあった」という感覚を肯定できる心構え。
これがなければ、私たちはたとえUFOが目の前を横切っても、「何かの見間違いだった」と自動的に処理してしまい、それを記憶にも残さないまま日常に戻ってしまうのです。
見る力とは、認識を壊す勇気
UFOを目撃できるか否かは、視力の問題ではありません。
それは、自分の認識フィルターを一時的にでも停止させることができるかどうか、という心の使い方の問題なのです。
未知に対して「これは何だろう？」と純粋に問える感性と、わからないものを「わからない」として受け止められる柔軟性。
この両方を持ち合わせていない限り、UFOはあなたの視界に現れても、脳がそれを映し出すことはないでしょう。
だからこそ、「UFOを見たいなら空を見上げろ」というよりも、「思い込みを手放せ」と言ったほうが、よほど正確なアドバイスになるのかもしれません。
「UFOを見よう」と構えた瞬間、見えなくなる理由とは？
不思議なことに、UFOという存在は「見てやるぞ！」と強く意識しているときほど、その姿を現さない傾向があるようです。
これは偶然ではなく、私たちの思考や認知のしくみに起因する、ごく自然な現象なのかもしれません。
というのも、「UFOを見たい」という思いが強いとき、人間は無意識に「こういう形をしていて、こういう動きをするはずだ」という先入観の枠組みを頭の中に描いてしまいます。
その枠組みは、ほとんどの場合テレビ番組、映画、YouTube、オカルト雑誌などから得た視覚的な記憶によって構成されているものであり、いわば「メディアが作り上げた架空のテンプレート」なのです。
見たいものしか見えない脳のクセ
このような先入観を持って空を見上げると、私たちの脳は「そのイメージに合うもの」しか目に入れてくれなくなります。逆に言えば、**それに合致しない現象や物体は、そもそも“認識の対象から外されてしまう”**のです。
たとえば、空を横切る緩やかな光や、星とは異なる明滅の仕方をする点光源、奇妙な動きの飛行体があったとしても、私たちの脳は「これはテレビで見た“典型的UFO”とは違うな」と勝手に判断し、それをスルーしてしまいます。
これが、「見たい」と思えば思うほど、逆に見えなくなるという逆説的な現象のカラクリです。
無防備な瞬間に“違和感”として入ってくる存在
面白いのは、UFOを目撃した人たちの多くが、「意識して探していたわけではない」と語っていることです。
たとえば、「買い物からの帰り道、ふと空を見たら、異様に明るい光が浮かんでいた」とか、「夜ベランダでボーッとしていたら、動きが変な物体が通り過ぎた」など、日常の何気ない瞬間にふと視界に入ってきた、という体験談が非常に多いのです。
このような場面では、頭の中に「UFOってこういう形だよね」といった強固なイメージを持っているわけではなく、むしろ認識の“隙”が生まれている状態にあるため、脳が通常は排除してしまうような異質な情報もスッと入ってくるのです。
最初は「別の何か」として認識される
こうしたとき、見た人は最初からそれを「UFOだ」と断定するわけではありません。
むしろ、「なんだろうあれ？」という軽い違和感として始まり、「星にしては動きが変」「飛行機にしては音がしない」といった細かな引っかかりが蓄積し、「もしかして…」という疑念に変わっていきます。
この段階で初めて、それが“未確認飛行物体”――つまりUFOである可能性が意識に上ってくるのです。
ですから、UFOを見たという体験談には、
「いつも通り散歩してたら、空にオレンジ色の光が出ていてさ、最初は飛行機だと思ったんだけど、全然動かなくてさ。ずっと見てたら突然スッと消えちゃって…。あれはなんだったんだろう」
といったような、**日常のなかに違和感として入り込んできた“不自然さ”を起点とするストーリーが多く見られるのです。
「見えない」というより「認識できない」
ただし、ここで重要な補足があります。
仮に、従来のイメージとはまったく異なる形状、まったく理解不能な動きをするUFOが目の前に現れた場合、それを“無防備なとき”に目撃したとしても、私たちの脳がそれを認知対象として処理できない可能性も大いにあります。
つまり、「そこにある」けれど「意味づけができない」、結果的に「記憶に残らない」、そして「見なかったことになる」――そんなケースも考えられるのです。
このように考えると、「UFOを見る」という体験は、実は単に視覚的な問題ではなく、意識の受け入れ態勢が整っているかどうか、つまり「認知の準備があるかどうか」に深く関わっていることが分かります。
UFOは“探して見る”ものではない
UFOという存在に関して言えるのは、目を凝らして探せば見つかるという類のものではないということです。
むしろ、「探すこと」を一度手放し、視覚や思考の枠を取り払った状態で日常を過ごしているときにこそ、思いがけずそれらしきものに遭遇する可能性が高まる――そんな不思議な法則が働いているように思えます。
「何の気なしに空を見上げたときに限って、不思議な光が漂っていた」
このような体験談が多く語られていることは、決して偶然ではなく、意識と認識の構造そのものが関係していると考えると、俄然興味深くなってくるのではないでしょうか。
結びにかえて 〜UFOは意識しないときにこそ姿を現す？〜
ここまで、UFOを目撃する人とそうでない人とのあいだに、いったいどのような違いがあるのかについて、さまざまな角度から考察してきました。
もちろん、今回お話しした内容がすべての事例に当てはまるとは限りません。
UFOという現象自体が未解明である以上、絶対的なルールを定義することは難しいのが現実です。
それでも、多くの目撃例や認知のしくみを踏まえて言えることは一つあります。
「見ようと構えるほど、見えなくなる。」
それが、UFOという存在の奇妙な性質なのかもしれません。
むしろ、意識がほかのことに向いているとき、心の隙間に入り込むようにして、不意に視界に現れる。そんな“偶然の重なり”のなかで目撃されるケースが多いのです。
だから、もしあなたが「いつかUFOを見てみたい」と願っているのなら、あまり力を入れすぎず、夜空を眺める習慣を楽しんでみてください。
意識しないことが、最良のチャンスを引き寄せる――
UFOというミステリアスな存在には、どうやらそんな法則があるようです。
