「アセンション」という言葉を聞いて懐かしさを感じる方も少なくないかもしれませんね。
一時期はスピリチュアル界隈で大いに話題となったこの概念ですが、特に2012年の終わり頃には、そのブームも急速に勢いを失った印象がありました。
むしろ、2012年12月を境に「アセンション」という言葉自体が姿を消してしまったようにも感じられます。
数々の書籍やメディアが取り上げ、人々の関心を一気に集めたあの熱狂は、ある意味一過性の現象だったともいえるでしょう。話題性に飛びついた層は、メディアの沈静化とともにあっさり離れていったのも事実です。
そのため、今では多くの人が「あれは一時の流行だった」「結局は何も起きなかった」と認識していることでしょう。
でも本当に終わったのか?
実は、そう簡単に結論づけてしまうのは早計かもしれません。
アセンションというプロセスは、2012年で終わったのではなく、むしろその時点から新たな段階へと進行しているのです。
一見すると静まり返ったかのように見えて、裏側では個人レベルでさまざまな「変化」が続いています。
この「見えない進行」によって、一部の人々の間では実際に体調の変化や精神的な感覚の変容が報告されているのです。
アセンションと身体の変化:頻尿もその一つ?
特に興味深いのが、アセンションの影響だとされる体の反応についてです。
中でも「頻尿」という現象に注目が集まっています。
スピリチュアルに疎い人にとっては、一見まったく関係がなさそうに見えるかもしれませんが、エネルギーの変容や波動の変化によって、体内の水分バランスや排出システムに変調が起きるという考え方があるのです。
つまり、「頻繁にトイレに行きたくなる」という症状が、実は目に見えない次元で起きている変化の一環なのかもしれないということ。
もちろんすべてがアセンションと結びつくわけではありませんし、医学的な原因を排除することもできませんが、「スピリチュアルな成長段階にあるときに体が一時的に不安定になる」という事例は、過去にも数多く報告されています。
はじめに明確にしておきたい重要なこと
今回は「アセンション」に関連する話題を取り上げますが、その前にひとつ確認しておきたいことがあります。
いわゆるスピリチュアル系の情報発信をしているブログやサイトを見ていると、目を疑うような無責任な内容に頻繁に出会います。
読むたびに「どうしてここまで根拠のないことを堂々と書けるのか」と呆れるばかりで、もはや怒る気力さえ失せて、笑ってしまうこともあります。
問題なのは、そうした記事の書き手が、自分の書いていることが正しいと信じ込んでいるという点にあります。
特に、身体の不調や変調をすべて「霊的な成長」や「高次元からのサイン」といった言葉で片づけてしまう傾向には、大きな危うさを感じずにはいられません。
例えば、「目まいやフラつきはエネルギーが上昇しているサインです」などと主張するページもありますが、それより先に身体的な異常を疑うべきではないでしょうか?(これは極めて常識的な話です)
もしもその症状の背後に重大な疾患が隠れていて、それを「アセンションによる変化」と都合よく解釈して受診を怠った結果、症状が悪化してしまったとしたらどうでしょう?
そのような内容を発信した人が責任を取ることはできるのでしょうか。
おそらく、そういった投稿者は自分の発言に責任を負うつもりすらないと思います。
最近ではこうした無責任な情報がネット上に溢れていて、正しい判断を妨げる要因にもなっています。
今回の内容では、アセンションの考え方に加え、しばしばスピリチュアル文脈で語られる「頻尿」という体のサインについても取り上げます。
ですが、誤解してはいけないのは、頻尿の多くはスピリチュアルとは無関係であり、身体的な不調や疾患によって引き起こされる現象だという点です。
少しでも違和感を感じたら、まずは泌尿器科などの専門医に相談することが大前提です。
これはとても重要なことなので、もう一度お伝えしておきます。
頻尿などの症状が出ている場合、そのほとんどは医学的な要因に起因していることが多いため、真っ先に医療機関を受診するべきなのです。
そして、医学的な異常が見当たらなかった場合に初めて、他の要因、たとえば精神的・霊的な観点からの解釈を検討するのが適切な順序です。
誤った認識によって、手遅れになるようなことがないよう、どうか冷静な判断を心がけてください。
アセンションとは何なのか?
さて、ここから本題に入りましょう。
「アセンション」という言葉の意味を、あなたは正しく理解していますか?
かつて2012年前後に盛んに取り上げられていたこの言葉は、当時、多くの人々の関心を集め、ちょっとした社会現象にもなりました。
一般的にアセンションとは、地球や人類を含むあらゆる存在が、より高次の次元へと進化・移行していくプロセスを意味するとされていました。
ところがこの概念を極端に拡大解釈した一部の人々が、「とてつもない大事件が起きる」といった形でセンセーショナルに騒ぎ立てたのです。
ちょうど同じ時期に話題となった「マヤ暦の終わり」とリンクさせる形で、「2012年12月に世界的規模のアセンションが起こる」とまで言われるようになりました。
当時はこんな疑問や憶測が飛び交っていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。
- 地球に異常が起きるのでは?
- 人類は滅びるのか、それとも覚醒するのか?
- 異星人が来訪して文明が大きく変わるのでは?
- 大規模な天変地異が地球を襲うかもしれない…
そんな不安や期待が混じった情報が加速度的に広がり、あらゆるメディアやネット掲示板、さらには書店の特設コーナーまでを賑わせました。
しかし、2012年12月、いざその「運命の日」を迎えてみると——何も起きませんでした。
- 空騒ぎだったじゃないか
- 所詮は都市伝説だったのか
- またしてもガセネタに踊らされた…
といった反応が相次ぎ、熱狂していた人々の興味は一気に冷めていきました。
それまで大量に出版されていたアセンション関連の書籍も、翌年には棚からすっかり姿を消してしまったのです。まさに、嘘のような熱の引き方でしたね。
では、アセンションは実際に「起きなかった」のか?
現在、インターネットで「アセンション」というワードを検索してみると、その多くが2012年以前の情報であることに気づくはずです。
同時に、個人のブログやSNSなどからも、関連する話題が急激に減っているのが見て取れます。
しかし、それでもごく一部には今もアセンションについて発信している人たちが存在します(ちなみにこの記事もその中のひとつですが…笑)。
なぜ、すでに過去の話題となったはずのアセンションについて、今もわずかながら語り継がれているのでしょうか?
その理由はいたってシンプルです。
アセンションは、実は「すでに始まっている」からです。
もっと正確に言えば、「アセンションは一瞬で完了するイベントではなく、継続的に進行しているプロセス」だということです。
つまり、ある特定の日時に劇的な変化が起きるわけではなく、少しずつ静かに、でも着実に、私たちの内側と外側の両方で進行している現象なのです。
今一度、アセンションの定義を思い返してみてください。
それは「地球とそこに存在する生命体が、より高い次元へと移行していく現象」。
この定義からすれば、目に見える変化が起きないことこそが、むしろ自然な流れとも言えるのではないでしょうか。
「次元が上がる」とはどういうことなのか?
遥か昔、人類は霊長類から少しずつ姿や知能を進化させ、現在の私たちのような存在へと変化してきたといわれています。
もちろんこれは、ある日突然サルが人間に変身した、というような単純な話ではありませんよね。
進化のプロセスには長い年月が必要であり、徐々に変化が積み重なっていくものだというのは、誰もが理解しているところでしょう。
つまり、「大きな変化にはそれなりの時間がかかる」というのが、自然の摂理だということです。
アセンションという言葉は、「次元の上昇」を意味しますが、これは肉体的な進化ではなく、内面的な側面――つまり「意識」に起きる変化を指しています。
私たち一人ひとりの意識の周波数が高まり、それが集合的な変化となって、やがて人類全体、ひいては地球全体の意識レベルにも影響を及ぼしていく。
それこそが、アセンションの本質的な意味なのです。
この意識の変容によって、これまで常識とされていた価値観が再定義され、当たり前だったことがそうではなくなるような局面が次々に現れてくるわけです。
個人単位での気づきや変化であれば、それなりに受け止められるかもしれませんが、人類という巨大な集団全体に一気に変化が起こるというのは、非常に困難です。
アセンションのカギは「段階的な進行」
では、人類が争いを超えて真の平和を築くには、どのようなプロセスが必要なのでしょうか?
現在の世界情勢を見れば、国家間で主張が対立し、紛争が発生し、軍備が拡張されている現実があります。
たとえ核兵器の廃絶を訴えても、「あの国が保有しているならこちらも必要だ」といった論理で、対立の連鎖が続いているのが現実です。
戦争の火種を完全に消し去るためには、兵器だけでなく、敵対を生み出すあらゆる前提や思想を手放す必要があります。
もっと言えば、国家という枠組みそのものを超えていく覚悟すら求められるかもしれません。
ただ、それを聞いて「そんなのは夢物語だ」と感じる人がいても無理はありません。
なぜなら、今の現実を変えていくには、長い時間とお互いを理解し合う姿勢が不可欠だからです。
だからこそ、問われるのは「意識の成熟度」です。
私たちは少しずつ価値観を変えていくことで、相手の話を聞くことができるようになり、争いの前提すら再考する余地が生まれてくるのです。
こうした意識の進化は一斉に起こるものではなく、まずは限られた人々の間で始まり、その波が徐々に広がっていくことで社会に浸透していきます。
そして、やがてそれが「普通」として受け入れられる時代がやって来るのです。
このゆるやかで持続的な意識の変容の流れこそが、アセンションの真の姿だといえるでしょう。
ですから、2012年のある一日だけをもって地球規模の次元上昇が一気に訪れる――というような劇的な出来事を期待していた人々は、その本質を見誤っていたとも言えるのです。
あれから約10年が経過した今、目には見えにくいかもしれませんが、私たちの社会や人々の価値観の中には確かに変化の兆しが芽生えています。
アセンションは過去の出来事ではなく、いま現在も静かに進行しているプロセスなのです。
アセンションによって現れる体調や感覚の変化とは?
これまでの説明で、アセンションというプロセスが今なお続いている現象であることをご理解いただけたかと思います。
では、それが実際に進行しているとき、私たちの生活や身体にどのような影響が現れるのでしょうか?
実のところ、この変化は非常に繊細かつ曖昧で、多くの人は自分の内側で起きている変化にさえ気づいていない可能性があります。
たとえば、「なぜかタイミングが妙に合うようになった」とか、「偶然とは思えない一致が頻発している気がする」「インスピレーションが突然降ってくる」といった体験をする人が、ここ最近少しずつ増えてきているようです。
こうした出来事は、いわゆる「目に見えない領域」からのメッセージやシグナルを受け取る感度が高まってきたことの一例と捉えることができます。
つまり、意識が従来よりも繊細になり、より高次の情報源とつながりやすくなってきた、という変化が生じているということです。
これは単なる偶然や錯覚ではなく、ある種の「意識進化」のサインとも考えられています。
このような内的変化と並行して、ある種の身体的な違和感を覚える人も存在します。
実際、そうした人たちの中には「体調の微妙な変化」を感じているケースもあり、その例としては、疲労感、感覚の鋭敏化、あるいは軽い不眠傾向などが挙げられることもあります。
もちろん、こういった反応はすべての人に共通して現れるわけではありません。
あくまでも、感受性が強く、自身の内側の動きに敏感な人に限って見られる可能性がある、という程度の話です。
したがって、身体に何らかの変化があったからといって、それをすぐに「自分もアセンション中だ」と結論づけるのは早計かもしれません。笑
むしろ、そういった変化を感じた場合には、まずは冷静に日常生活や健康状態を振り返ってみることが大切です。
本当にスピリチュアルな成長の影響なのか、それとも生活習慣やストレスの影響なのか、判断は慎重に行うべきでしょう。
体感や直感に耳を傾けるのは重要ですが、それと同時に、バランスの取れた視点も忘れずに持っておきたいものです。
なぜアセンションによって体に変化が現れるのか
そもそも、どうしてアセンションのプロセスの中で体調の変化が見られるようになるのでしょうか?
これは、私たちの意識レベルが上昇し、それに伴って振動数(波動)が高まっていくことに深く関係しています。
意識がより高次の周波数帯に共鳴しやすくなると、これまで以上に繊細で精妙なエネルギーが流れ込んでくるようになります。
その結果、今まで意識できなかった感覚や内面的な気づきが増え、日常の中でも思いがけない「直感」や「偶然の一致」といったシンクロニシティが多発するようになったりします。
また、これまで気づかなかった物事の“エネルギー的側面”を敏感に感じ取れるようになることもあります。
こうした内的な変化に呼応するかのように、身体の側でも微妙な反応が起こることがあり、それが「最近なんとなく調子がいつもと違う」と感じる理由の一つなのです。
頻尿とアセンションの関係は?
ここで話題になるのが「頻尿」という現象です。
なぜ、意識の変化と尿意が関係していると言われるのでしょうか?
先述の通り、アセンションが進むことで高次元のエネルギーが意識に流れ込み、それを受け止めようとする体もまた、その変化に反応します。
体内のエネルギーの巡りが活性化されて代謝が上がると、排出機能にも影響が出てくることがあり、その一例として「尿意が頻繁に訪れる」といった現象が起きるわけです。
こうした理由から、「頻尿はアセンションのサインではないか」と語られることがあるのです。
つまり、意識がより高次とつながることで、体もまたそれに適応しようとしている——という見方です。
ただし、勘違いしてはならないのは、アセンションの影響で誰もが頻尿になるわけではないということです。
体が敏感に反応するのは、ごく一部の人に限られますし、頻尿の多くは医学的な要因によって引き起こされているという事実を忘れてはいけません。
気になる症状がある場合は、まず医療機関での診察を優先すべきです。
頻尿だけではない、さまざまな変化
体内の循環やエネルギーが活発化することにより、頻尿に限らず、さまざまな身体的な違和感を覚える人もいます。
たとえば、手足のしびれ、動悸、異常な眠気、肩こりや首・腰の痛み、頭の重さや頭痛、胃の不快感といった症状が挙げられます。
さらには、代謝の変化によって食欲が増し、体重の増加に悩まされるケースも見られます。
こうした現象の多くは、日常生活においても誰もが経験しうる一般的な不調であるため、それがスピリチュアルなプロセスによるものか、それとも身体的・生活習慣的な理由なのかを見分けるのは極めて困難です。
そのため、こうした体調の変化を安易にアセンションと結びつけてしまうのは慎重であるべきでしょう。
不調を感じたときには、まず現実的な視点で状況を見極めることが大切です。そのうえで他の可能性に目を向けることが、バランスの取れた姿勢といえるでしょう。
最後に伝えておきたいこと
ここまで、アセンションという概念と、それに関連するとされる身体的な変化についてご紹介してきました。
今この瞬間も、私たちはそのプロセスの中にあり、そしてその変化は非常に静かで気づきにくい形で進行しているという点を、少しでも実感いただけたでしょうか。
一部のスピリチュアル系の情報発信では、アセンションに伴う体の反応ひとつひとつに意味を持たせようとする傾向があります。
しかしながら、そうした個々の現象に無理やり象徴的な解釈をあてはめることには、あまり実用的な意味はないと私は考えています。
というのも、アセンションとは本質的に、エネルギー的な感受性が高まり、より高次の流れと同調しやすくなるだけのことであり、すべての反応にメッセージ性があるとは限らないからです。
確かに、何かしらの意味を持たせることで、占いやスピリチュアル的な面白さが増すのは事実でしょう。
ですが、意味のない現象にまで無理に解釈をつけてしまえば、逆に読み手を混乱させたり、誤った理解を招いたりする恐れもあるのです。
ドラマティックで神秘的な表現を多用すれば、読む人の興味を引きやすくなるのは分かっています。
ですが、当サイトはそうした演出を目的とした情報提供はしておらず、できるだけ冷静かつ客観的な視点からお伝えすることを重視しています。
スピリチュアルな変化を信じるかどうかは人それぞれですが、何が起きているのかを自分の感覚と照らし合わせながら、落ち着いて判断していただけたら幸いです。